巻上公一『月下のエーテル』CD発売記念ライヴ@新宿PIT INN

巻上公一『月下のエーテル』CD発売記念ライヴ
巻上公一(vo,theremin)、梅津和時(as,bcl,cl,ss)、津上研太(as,ss)


まずは巻上さんが出て来て、テルミンに両手を置いて、先の水疱瘡の話などで和やかなムード。
巻上さんのヴォイスが発せられると、状況は一変。コマ送りのように、表情と声が変わっていき、ぐいぐい引き込まれていきます。テルミンの演奏も加わると、ぐいっと鷲掴みにされては、音が広がっていき、目まぐるしく展開されていきました。巻上さんが徒手空拳を思わせる動きを見せたりと。
一部の後半からは、梅津さんと津上さんの演奏も加わり、一つの塊になって迫ってきました。


二部は、まず巻上さんと梅津さん。梅津さんのバスクラが循環呼吸で深行していく中、巻上さんは口琴を使いつつ朗々と声を聞かせ、時折テルミンの音で楔を打ちつつ。
続いては津上さんと。津上さんはタンギングを駆使しながらの演奏でしたね。
再び、三人での演奏。津上さんは旋律を奏でていき、梅津さんは図々しいほどのフリーキーさ。
梅津さんは、バスクラの口を外してワウワウを音を出し、ソプラノでは空気の摩擦音を出し、アルトの大音量で突っ込んだり。極めつけは、声を挙げバスクラでプッと詰まった音を出し、オーエ、プッと音を繰り返してたのは、思わず笑いを堪えてました。ピアノの上に置かれたそれぞれの楽器を物色しているのが印象深いです。
この組み合わせはがっちりはまりましたね。
巻上さんのヴォイスもまさに底なし。加えて講談口調や時代劇笑いも交え、時にはムーディーな口調と、見入ってしまいます。


アンコールは再び巻上さんのソロ。
言霊を発しているかの口調も交え、炸裂し穏やかに語り、歌い、と素晴らしかったです。