ONJO/OUT TO LUNCH CD発売記念ライブ@渋谷duo MUSIC EXCHANGE

ONJO/OUT TO LUNCH CD発売記念ライブ@渋谷duo MUSIC EXCHANGE


ONJO/Otomo Yoshihide's New Jazz Orchestra
大友良英(g),カヒミ・カリィ(vo),アルフレート・ハルト(ts,bcl),津上研太(as,ss),大蔵雅彦(as,bcl tubes),青木タイセイ(tb),石川高(笙),Sachiko M(sine waves),宇波拓(computer with objects),高良久美子(vib),水谷浩章(b),芳垣安洋(ds,tp),近藤祥昭(sound)


sigh boat -1(minus one)
内田也哉子(vo),渡邊琢磨(key,b) with special guest 青柳拓次(g,b),栗原務(dr,g)


渋谷duo MUSIC EXCHANGEは渋谷O-eastの下にございました。
ステージは横広く、高さは膝くらいでちょっとだけ高くなってる感じ。広さ的にはO-eastとそこまで変わらない感じはするけど、後ろに柱が2本、でーんと立ってます。
客席は、当然の如く椅子はなく、開演前は座って場所取りしてます。ま、立ち見です。


まずはsigh boat
見るのは初めて。 渡邊琢磨さんはNHKライヴ・ビート収録のcombo piano以来。
今回はbassの鈴木正人さんが欠席のため、同じlittle creaturesのお二方が参加。
青柳さんと栗原さんの繊細な演奏に抑揚の少ない体温低めな雰囲気の内田也哉子さんのヴォーカル、そこに渡邊琢磨さんの鍵盤が鮮やかに奏でられる感じ。
也哉子さんのボーカルも雰囲気と噛み合ってよかったです。
MCは也哉子さんで、琢磨さんは様子を見てるだけ、振られても喋らず。
ラストは琢磨さんがベースを弾きたいとのことで、ポップでロックな曲。足で拍子をとり嬉々として弾いてました、ポーズも決まってました。青柳さんの遠くから聞こえてくるようなフィードバックなギターが美しかったなぁ。
ギターの残響音が響く中、琢磨さんも戻ってなんだかいじくって、也哉子さんのポエトリーリーディングで締めてました。


小休憩、とはいえ場所を離れることも出来ず、より人が密集して参りました。座ることも出来ん。
ステージ上ではセットチェンジ。大友さんも指示を出してます。高良さんのヴィブラフォーンでハルト氏がチューニング、大蔵さんもチューニング。


スクリーンにはONJO森山大道氏の写真が印象的な『OUT TO LUNCH』のジャケが写されます。
突如として大友さんの雷鳴轟く轟音ギターが炸裂し、SachikoMのサインウェーブが聴覚を刺激します。いやぁ私奴はここでもう満足、たまらなく好きです。
とろけていたら、「Hat And Beard」のテーマへ。早速ハルト氏の叫びながらの凄まじいサックスソロが展開され、そこに青木タイセイさんの横笛が入って、これがまた素敵な音色で組み合わせ的にもすごいよかった。
「Gazzelloni」はもうアゲアゲな展開で、芳垣さんの鬼神の如くのドラミング。


ここでMC。大友さん「ここでA面は終わりでB面に、その間にトイレ行ったり、電話したり」。笑いが起こると、「笑うな、若者!悔しかったら引っくり返してみろ」。どこかで聞いた気もしないでもないですが、印象的なセリフです。
芳垣さんのドラムの音が凄かったと思ってたら、買ったばかりの63年か64年製らしい。ドルフィーの「OUT TO LUNCH」は64年。大友さんが迷ってると、芳垣さんから「64年製にしとこう」とのこと。


B面に移る前に、他の曲も。
サントラの曲も。そういえば『クライマーズハイ前編』、ビデオに録り損ねた。ちなみに演奏聞いた後だとさらに後悔倍増・・・。
まずは今年の夏頃作って、公開は来春の、サントラの曲。
これがまた素敵な旋律で。ハルト氏の特殊奏法なソロが続く中、テーマに入るとこは、ほろろと来るところで素晴らしい。
そして、「クライマーズハイ」から、カヒミさん参加の「lost in the rain」へ。


B面の曲は大友さんの指揮ぶりが見れました。
また、ハルト氏はソロで宇波氏の音に反応して振り返ったり、宇波さんは終始表情は変わらず、ハルト氏はおどけてみせたり。
SachikoMのサイン波、石川高さんに笙、高良さんのヴィブラフォーンの弓引きの組み合わせは本当綺麗でした。
それぞれで見所盛りだくさんで楽しめましたね。


アンコールは「eureka」。
ジム・オルーク氏の曲ということで、ジム・オルークの話。来てたのかな。最近、日本語を勉強されているようで、大友さん「おーっすとかよーっすって会話することになる、なんかドリフみたいだ」、すかさず、SachikoM「おぃっすだよ」とつっこみ。
さてさて「eureka」。カヒミ・カリィさんの囁くヴォーカルと、サイン波、そして芳垣さんのミュートを付けたトランペットの出だしはいつ聞いてもじーんと来ます。
終わって感無量になってたら、ハルトさんのサックスに導かれ、明るい曲。
素敵な締めでした。


本当素晴らしいライヴでした。
なんかこうモヤモヤしていたものが吹っ飛びましたね。
それにしてもスタンディングで身動きとれずで腰が悲鳴をあげてます。とほほ。