梅津和時・プチ大仕事『舞う音、音の舞。』@新宿PIT INN

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2010春 梅津和時・プチ大仕事『舞う音、音の舞。』@新宿PIT INN
梅津和時(as,ss,cl,bcl)山下洋輔(p)田中泯(舞踏)


会場はいつもと異なった雰囲気。
客席前方にはゴザが敷かれて、前の客は地べたに座ってみることになります。
照明もいつもよりやや暗め。


初めて見る泯さんの佇まいが印象的。
斜めに立っている姿からして、グッと引き込まれてしまいます。


泯さんが後ろの壁に向かってモソモソしだすと、梅津さんは腰を落として、鋭いフレーズを発しながら、座ってた椅子をバシバシバシッ叩いてたのもよかった。


2部後半。
山下さんの肘打ちが炸裂するソロが繰り広げられ、いつになく鋭く響きます。
ソロが収束すると、山下さんの和音に、梅津さんの胸を締め付けるような旋律。
梅津さんはアルトからソプラノに持ち替え、さらに情感が増します。
そんな音空間の中で繰り広げられる泯さんの舞は、本当に感動的でした。


演奏は続き、両者の音はどんどんでかくなっていき、濁流の如く。
泯さんはピアノの下の照明に顔をつっこむような態勢でじっとしてます。
しばらくして演奏が落ち着きを見せると、泯さんはすくっと顔をあげたんですが、照明の当たり具合から鬼気迫る表情が浮かび上がっていました。


燃え尽きたなぁ、と思ったらアンコール。
なんと「OVER THE RAINBOW」。
一瞬、泯さんがおどけた表情を見せてました。
ほどよく緊張が緩んだ中で、楽しめました。


舞踏の絡むライヴって実はあまりいい印象ってなかったんですが、やはり本物。
三者対等の凄まじき演目となりました。
物販では、泯さんが持ってきた桜花村で収穫された食品も売られてましたね。