大友良英 プロデュース 沖至 DUO&QUARTET@新宿 PIT INN

yantera2006-09-11

大友良英 プロデュース 沖至 DUO&QUARTET
沖至(tp,flh)、大友良英(g)、半野田拓(g)、外山明(ds)


一部は沖さんとのそれぞれのデュオ。

まずは半野田拓さんとの演奏。沖さんのゆるやかにたゆたって鳴り渡るトランペットの音色に、半野田さんのギターは弦の付け根をいじりゴワゴワ、ぺオンぺオンと鳴っていて、これが感応し合ったように聞こえ、とても心地いいものでした。

続いて外山さんとの演奏。沖さんは笛に持ち替え、二本使って吹きます。簡素にメロディアスな旋律と音色に、外山さんの強弱緩急自在に叩き出されるドラムが、また絶妙で何だか別世界に誘われていくようで、素晴らしかった。

大友さんとの演奏。沖さんはトランペットにミュートを取り付けての演奏。大友さんは金属片をピックアップに押し当て轟音を響き渡らせます。後半は大友さんの轟音ソロとなっていました。

そして二部は四人揃っての即興演奏。
前半は大友さんのギターが異様に大きかったり、沖さんの笛が聞こえづらかったりと、そんな何だか無骨な演奏が繰り広げられる中、その向こうから半野田拓さんの微妙に蠢き響く音がとても興味深く耳を奪われました。
沖さんがトランペットに持ち替え、外山さんとの掛け合いから一本筋が通った感じとなり、尻上がりに演奏は激しさを増して行きました。大友さんと外山さんの応酬が火を噴きました。

アンコールでは、やはり大友さんの鉄槌のような轟音と外山さんの応酬が圧倒的で凄まじかった。

ちなみにアンコールの演奏の前に、大友さんが客席にいらっしゃた渋谷毅さんとさがゆきさんを呼び込んだけど、既に途中で帰られてしまった模様。この演奏にお二方が加わるのは全く想像出来ないだけに、怖いもの見たさで見たかった気もしないでもないけど。圧倒的な演奏を目の当たりにした後ではこれでよかったかなと。

全体的に沖さんの音はもわもわと染み伝わってくる感じでした。それにしても大友さんと外山さんの演奏はデュオという形でじっくり見たいところです。もちろん今回みたいのもだし、歌心あるガットギターでの演奏でも見てみたいですね。