不破大輔セッション 4days+1@渋谷7th Floor

不破大輔セッション 4days+1 (3日目)

不破大輔(contrabass,e-b)尾嶋優(ds)さや(organ,key,vo)植野隆司(g)川口義之(as,harmonica,fl,etc)辰巳光英(e-tp)


テニスコーツのファンが来るかなと思いきや、いささか寂しい入り。

tenniscoatsのお二人とJimanicaこと尾嶋優さんを迎え、川口さんと辰巳さんが加わった編成。
植野さんと不破さんは一度共演されていて、尾嶋さんと不破さんと辰巳さんの編成でのセッションもありましたね。

不破さんは一部ではコントラバス。二部ではお馴染みのエレベ仕様でありました。

まずは不破、尾嶋、植野、辰巳での演奏。
実は辰巳さんのエレクトリックトランペットを聞くのは初めてだったのですが、これがなんとも凄まじいぶっ飛び具合で素晴らしかったです。
植野さんのギターはかなり改良し尽くされた感のあるストラトキャスター。ヴォリューム奏法でふわふわ浮き上がるような音を響かせ、自らもかなりのっての弾きぶり。溶け込むように侵食するようなノイジーな音も響かせたまりませぬ。
尾嶋さんのドラムはちとそぐわなかったかな。精緻に構成されたd.v.dでの演奏は素晴らしかったのだが、セッション的な演奏になると、逆にセオリー通りというかそつが無さ過ぎて野暮ったく感じてしまった。続いてのうたものでもいただけなかったのが残念でした。

続いて、さやさんと川口さんを加えて、テニスコーツの曲を軸に演奏が繰り広げられます。
個人的にはライヴハウスでのライヴだと聞けない、生ピアノでテニスコーツが聞けるのは嬉しい限り。
一部では「嗚咽と歓喜の名乗り歌」「バイババビンバ」。
屈指の名曲がこんな形で聞けるとは、素晴らしいです。
やはり不破さんのベースが加わると、筋が入るようにグッと引き込まれました。川口さんのハーモニカもいい味が出てていいです。

二部は、不破、尾嶋、辰巳、川口、さやでの演奏。
さやさんのこどもが訝しげにおもちゃをいじるような感じで弾き出す鍵盤はどこか別のところで鳴っているような雰囲気も醸し出し変なうねりを出し、それがまた白熱する演奏と相俟って、返ってとても面白かったです。

二部では「ウンバレパ!」「吾等の移動 Wanderus」。
「吾等の移動 Wanderus」での、冒頭でのディレイを使いながら幽玄な音色を吹き出していた辰巳さんのペットはとても印象的。演奏も後半疾走感を帯びていき、音が広がっていき、これまたとんでもなかったです。

締めの演奏は再び即興演奏でぶっ放し感のある演奏。
ちなみに、植野さんはここに至って新たにエフェクターを取り出していました。

曲はテニスコーツの曲だけで、不破さんの曲をさやさんの歌声で聞けなかったのは無いものねだりでいささか残念でしたが、やはりこの編成でテニスコーツが聞けるのは嬉しかったです。