スガダイロー『スガダイローの肖像』CD発売記念ライヴ@新宿PIT INN

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スガダイロー『スガダイローの肖像』CD発売記念ライヴ@新宿PIT INN


スガダイロー(p)
チャップリン松本(as)池澤ルータン(ds)ノイズ中村(as)トロンボーン高橋(tb)北陽一郎(tp)TB448(b)現代理人(詩,g)
松原東洋,向井千枝,ゲンちゃん,古谷充康,カナコ,霜村佳広,長谷川宝子,南加絵,広田スガコ(舞踏)
東保光(大正琴)
guest:二階堂和美(vo)


集客が心配されましたが、いざ始まると立ち見も出るほどの盛況ぶり。
開場前はけっこう年配の方々が多かったですが、その後も当日と思しき若者がぞろぞろ。老若男女入り混じる客層でよかった。


客電が落ちると、三度笠にマント姿の演奏陣に白塗りを始めとした舞踏陣が、客席から続々とステージに向かいます。
ただならぬ緊張感に包まれる中で、まずはダイローさんのソロピアノ。その向こうで東洋さんが痙攣してます。
しっとりした雰囲気で2曲。うっとりと引き込まれます。
次何やろうかな、とちょっと緩んだ雰囲気になりましたが、「Cecil Taylor」という曲もありました。
一曲で二階堂和美さんが加わり、ここではデュオ形態でアルバム収録の「Lazybones」を披露。
続いて、現代理人の朗読があり、一気に松本さん・池澤さんとのトリオでの「キアズマ」を演奏。
演奏陣それぞれに舞踏陣が割り当てられていて、その演奏者が演奏しだすと舞踏もそれに応じて動き出すようだ。
松本崇史さんに憑いたかのような、向井千枝さんの動きと表情の幽霊っぷりが一際目を引きます。


休憩中は東保光さんの大正琴ソロ。客席がざわつく中で、広田スガコさんの踊りをバックに、声を響かせエフェクトで不気味に持続させつつ爪弾かれる大正琴の響きは、雑然とした雰囲気と相まって、なかなか面白かった。

そんな雰囲気が漂う中で、客電が落ち、再びメンバーが客席へ。

演奏陣勢ぞろいのRealBlueでの演奏。
ここでも演奏陣と舞踏陣はペアで行動。ここまでくるとさすがにやり過ぎ感があって、それはそれで非常に楽しいのだが、メンバーによって出来不出来が目立つのはいささか残念だったかな。でもここまでやればさすがであろう。
「ゲットー」の旋律にはやはり興奮させられます。

再び二階堂さんが演奏に加わります。不適な笑顔で客席で待ち構えていました。
「堕天使ロック」を歌います。管楽器のマイクと兼用だったためか、あまりヴォーカルが前面に出てこなかったのは残念でしたが、魑魅魍魎が跋扈しているかのような雰囲気のステージでケモノっぷり全開の存在感はあまりにも素敵です。
その後も一曲だけステージに残って、他の舞踏陣に引けをとらぬ暴れっぷりでした。

ノイズ中村さんのトホホなラップもありで、さらに混沌した雰囲気を醸し面白いです。大き目のサングラスはこのためか。

演奏はさらに熱気を帯びていき、トロンボーン高橋さんや北陽一郎さんがステージ前に出て激しく吹き出し、さらにかき乱していってました。

終わった後は、やはり演奏を見たというより何だか芝居を見た後という印象が強かったですね。
視覚的にもやりたい放題で、レコ発ライヴという様相全開で素晴らしかったです。